中学教諭が相次いで買春容疑で逮捕

 旭川市立永山南中学校の男性教諭(44)が7月に児童買春の容疑で逮捕されたのに続いて、この9月には東鷹栖中学校の男性教諭(50)も同様の容疑で逮捕。これを受け黒蕨真一教育長は「学校教育が足元から崩壊しかねない非常事態」と対応に苦慮している。そんな矢先、本誌に「某中学校PTA役員」から「旭川市の学校は異常 教職員の道徳心や倫理観の低下が深刻」と題した投書が寄せられた。

臨時校長会議の後で同様の事件が再び
 永山南中の男性教諭は今年4月に、旭川市内のホテルで市内の女子高生(17)が18歳未満と知りながら現金1万円を渡し、いかがわしい行為をした疑いで7月に逮捕。男性は技術科の教員でソフトテニス部の顧問を務める3年生の担任でもあった。
 事件発覚後、ただちに旭川市教育委員会は市内全小中学校80校の校長を集め、臨時校長会議を開催。各校長に対し黒蕨教育長は不祥事の根絶に向け、早急に職員会議を開き、北海道教育委員会が示す「懲戒処分の指針」を周知するとともに職員一人ひとりと面談を行い、服務規律を徹底するように指示した。
 懲戒処分の指針には、児童生徒と、それ以外を対象にわいせつ行為(児童買春、ストーカー・痴漢行為等が含まれる)を行った場合、免職か停職処分が下されるとの内容が盛り込まれている。
 黒蕨教育長は、この時、生徒に不安が広がる恐れを懸念し、要望があれば、夏休み中もスクールカウンセラーを派遣して心のケアに努めるように訓示。
こうして再発防止に向けた機運がいったんは高まったかにみえたが、またしても、この9月に発覚したのが、東鷹栖中の男性教諭による児童買春・ポルノ禁止法違反(児童買春)事件だった。
 事件を受けてさっそく市教委は、前回の事件と同様に、市内全小中学校80校の校長を集め臨時の校長会議を開催。その場で黒蕨教育長が述べたのが「学校教育が、足元から崩壊しかねない非常事態」との言葉だ。7月に続いての臨時召集でもあったために教育長自身、愕然としたのは想像に難くない。それでも「市教委と学校が一丸となっていっそう厳正に対処していかなければならない」と語り、改めて再発防止に向け注意を促した。
 この男性教諭は5月、旭川市内のホテルで市内の無職女性が18歳未満と知りながら、現金1万5000円を渡す約束をし、いかがわしい行為をした疑い。男性は理科の教員で、バドミントン部の顧問を務め、3年生の担任だった。おとなしくて目立たない存在で、日頃の勤務態度は「問題を起こすことはなく、普通だった」(市教委)。永山南中の男性教諭が起こした事件を受け、東鷹栖中の校長が面談した際にも「特段変わった様子はなく、校長の指導を受けていた」との報告を市教委は受けていた。にもかかわらず、事件が発覚したため、校長も裏切られた思いを抱いたという。

表紙1911
この続きは月刊北海道経済2019年11月号でお読み下さい。
この記事をシェアする
  • URLをコピーしました!