士別サムライブレイズに地域の野球関係者憤慨

 本誌が前号で伝えた独立リーグHFL・KAMIKAWA士別サムライブレイズ(SB)の運営にまつわる問題点。前号発売直後から、本誌には元選手らから次々と新たな情報が寄せられた(中には「記事はぜんぜん甘い。もっと酷かった」とのお叱りもあった)。記者が驚いたのは、前号で触れた前監督、O氏によるパワハラ、というよりいじめに近い言動の数々。一連の問題についてはHFLのリーグ事務局が調査を行うと発表したが、どこまで真相が解明されるのかに、ファンやスポンサー企業は注目している。

本誌報道受け球団が声明
 前監督の問題行為に触れる前に、本誌10月号発売からの動きについて簡単に触れておきたい。
 9月23日、SBが菅原大介代表の名義で「記事掲載を受けてのご報告とお詫び」と題する文書をネットで発表した。その要点は▽運営責任者を9月22日付で解任(今後は菅原氏が運営責任者業務を行う)▽再発防止策として、実務担当者に加えて経理担当者を1名配置▽コンプライアンス研修について外部専門機関の指導を定期的に受ける(弁護士に相談中)▽第三者委員会の設置▽経理業務を厳格化し、毎月税理士の監査を受ける─など。文書は「今回の件を踏まえ、内部統制の見直しと管理体制の強化、外部有識者との連携による透明性の確保、再発防止に向けた監督責任の明確化を進めてまいります。今後も皆様に信頼いただける球団運営を徹底いたします。何卒変わらぬご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます」との言葉で締めくくられている。
 当初は本誌の取材申し込みに不快感を示していた菅原代表が、取材から約20日後に抜本的な改革に着手したこと自体は注目に値するが、本誌が前号で指摘した▽選手から徴収する寮費などについて領収書がない、請求書がない、請求の名目がはっきりしない▽選手の全裸写真をLINEで共有している、といったガバナンス上の問題がどこまで解決するのかは今後の行動次第だ。

(中略)

野球塾のはずが大会に参加
 本誌にはさらに、中学生が参加するユースチームについても、SBが理不尽な横車を押しているとの情報が本誌にもたらされている。士別地域の野球関係者によれば、SBの転々とする主張や強引な運営のために、市立中学部活を母体とするチーム運営が難しくなっているというのだ。
 現在、士別市内には4校の中学校があるが、うち2校は小規模な特認校。残る士別中、士別南中も決して生徒が多いわけではなく、すでに学校単位のチーム編成はできなくなっている。今年6月19日、20日に士別で開かれた上川中体連軟式野球大会には士別中・士別南中・下川中・智恵文中・風連中の5校が合同チームを組んで参加した。
 この大会の上川北地区大会に士別から参加したもう一つのチームが「KAMIKAWA士別サムライブレイズユース」だ。2つのチームは上川北地区大会の決勝で対戦し、士別中などの合同チームが13対1で勝利している。
 学校が母体でないチームが中体連の大会に参加することには問題がない。参加規程を遵守し、指導者が一定の資格を有しているなどの条件を満たせば参加が認められることになっている。これは、野球に限らず部活動の地域移行が始まっていることに配慮したしくみだ。
 しかし、士別では中学生の減少で学校単位ではチームを組めない現状がある。そこに別のクラブチームが加われば、学校チームの運営が困難になるのは明らかだ。
 もともと士別エリアの地域の野球関係者は、クラブチーム「士別ベースボールクラブ(BBC)」を2022年に設立して、まず士別・朝日両中学校の生徒が中心となり試行的に活動していた。
 こうした話とは別に、SBは「ブレイズ・アカデミー」を立ち上げ、小学生(ジュニア)と中学生(ユース)の指導を開始した。
 地域の野球関係者は、ブレイズユースでは当初「野球塾」を運営すると説明していたと振り返る。野球塾として個々の選手のスキルアップを支援してくれるなら、反対する理由はなかった。ただし、士別BBCの準備が進むなか、他のクラブチームが設立されるとは考えていなかった。
 地域の野球関係者を驚かせる情報が、24年1月16日の『道北日報』に掲載された。「ブレイズユースが指導」との見出しで始まるこの記事は、「春からの公式大会にも参加していきたいとしている」と締めくくられている。「野球塾」という当初の説明とは明らかに食い違っていた。

この記事の全文は月刊北海道経済11月号でお読みください。
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