旭川ビースターズ包む歓喜と不安

 2025年、道内の野球独立リーグ、 HBLに所属する旭川ビースターズでプレーした3人の外国人選手が、11月20日、埼玉西武ライオンズと育成選手契約を結んだ。現在道内に2つある独立リーグの所属選手が日本プロ野球機構(NPB)のチームと契約に至るのはこれが初めて。有望な選手を育ててより高いステージに送り込むことを目指していたチームにとっては大きな朗報だが、ほぼ同時に、新たに球団代表に就任した人物が運営資金230万円を引き出したまま姿を消した。チームの可能性が広がるのとほぼ同時に思わぬピンチに直面した形だ。

予想外の「一挙3人」
 まず吉報から。西武と育成選手契約を結んだのはチャッゼ・フレッド投手(ウガンダ出身22歳)、イサビレ・ムサ・アゼッド投手(ウガンダ出身20歳)、カルロス・トーバー内野手(スロベニア出身22歳)の3人。いずれの母国も野球が盛んなわけではないが、天性の身体能力と豊かな将来性を期待され契約に至った。西武からは2025年シーズンのはじめからスカウトが視察のため旭川を訪れており、ビースターズ側では「誰が選ばれるか」と期待していたが、一度に3人という予想を上回る結果となった。
 「旭川ビースターズの皆さんには、来年、私がいないことを寂しく思ってもらえるように、最善を尽くします」(チャッゼ・フレッド投手)
「西武ライオンズと契約を結び、ライオンズファミリーの一員になれることを嬉しく思います。私は目標を達成し、大きな舞台へ進出し、私たちのチームと共に頑張ることを約束します」(イサビレ・ムサ・アゼッド投手)
「西武ライオンズと正式に契約を結び、今、達成感を感じています。このチームのために、一生懸命働き、夢を実現したいです。そして、支えてくれた皆さんに感謝したいです」(カルロス・トーバー内野手)
 3人が結んだのは育成選手契約。契約の主眼はあくまでも育成であり、まだ一軍の公式戦に出場することはできず、契約期間は3年まで。活躍できるかどうかは、今後のレベルアップにかかっている。とはいえ、現在道内に2つある独立リーグの所属選手がNPBのチームと契約をするのはこれが初めて。2023年シーズンから球団としての活動を開始したビースターズはもちろんのこと、20年シーズンに始まった北海道の野球独立リーグ全体にとり快挙であることは間違いない。球団代表に就任したばかりの平亮氏は、「大投手スタルヒン氏を生んだ旭川の野球文化の中で育ってきた者として、またビースターズを預かる代表として、私自身これ以上ない誇りを感じています」と語る。
 3人の育成契約により、道内の独立リーグが、NPBに進む道になることが証明された。これをきっかけに、内外から優秀な選手、優れたフィジカル面の特性を持つ選手がビースターズや道内の他のチームにさらに多く集まる可能性がある。
 ところが、この快挙の発表と時をほぼ同じくして、球団が直接的に被った被害だけで230万円という不祥事に見舞われたことが明らかとなった。球団以外が被ったものも含めれば、被害は数百万円に達している可能性がある…。

この続きは月刊北海道経済2026年1月号でお読みください。
この記事をシェアする
  • URLをコピーしました!