中村みな子市議 道議選出馬表明

 2027年に行われる道議選旭川市(定数6)に出馬せず引退表明した共産党の真下紀子氏(69)後継者、旭川市議の中村美楠子氏(56)。共産党が低迷する中で、はたして10期連続の議席を死守することはできるのか。好きなペットはトカゲ。動物愛あふれる元小学校教員が激戦が予想される「サバイバル戦」に挑む。(文中敬称略)

蛇口ひねると言葉出てくる真下にはかなわぬ
 候補擁立に際して正式な打診があったのは2025年秋。旭川市長選の直後ぐらいのタイミングだった。日本共産党旭川地区委員会からあったが「最初は、そんな重責は担えませんとお断りしました」と中村。「真下さんのような動きはできず、蛇口をひねったら言葉が出てくる引き出しの多さにはかないません。引き出しどころか、タンクがいっぱい。タンクどころでもなく、ダムのよう」。2003年に初当選して以来6期積み重ねてきた真下のキャリアの前に、実際圧倒されざるを得なかった。しかもどうして「こんなときに交代していいのか」戸惑った。
 にもかかわらず、そのあと数回、打診があったため、考える機会をもたせてもらうことに。そうなると「(道議の仕事を)何をどう考えても、やれないことしか思い浮かばなかった」と当初はネガティブな感情にとらわれ前向きにとらえることはできなかったという。
 ところが、「だんだん、やれる、やれないというのはしようがない。真下さんは真下さん。でも、共産党が守り続けてきた真下さんの議席をなくすことはしたくない」とも思い直すようになった。そんなある日のことだ。政界関係者ではないが、信頼のおける知人から、「あんたならやれるよ」。こう後押しされると一念発起。「私が立つことで、1票でも獲れるなら…」。と思えるようになると、急に勇気が湧いてきて、「うじうじしていても、始まらない。そっかーと次のステップに行けた」。最初に打診を受けてから3ヵ月ほど経った11月末ごろの出来事だった。
 そして迎えた記者会見(ときわ市民ホールで12月8日)では、真下は「あらゆる世代の要求を聞きながら、政治を革新するためには世代交代が必要」と指摘した。それを受け中村は「共産党が低迷している状況の中で一歩一歩前に進んでいきたいと思います」と抱負を述べた。道議選までは市議を続けることも明らかにした上で「住民一人一人、その人らしく大事にされ、安心して暮らせる社会をめざすことは、市議としても道議としても変わることなく全力で向き合っていきます」と中村は強調していた。

〝伝えるスキル〟磨き「歩一歩」モットーに
 中村は旭川市生まれ。旭川市をはじめ上川管内の小学校教諭を30年間勤めた。全上川教職員組合書記次長、旭川労働組合総連合執行委員・事務局次長などを歴任。2023年に旭川市議会議員に初当選を果たし、現在子育て文教常任委員会の副委員長として活動している。「教え子を再び戦場に送らないために、高市政権の暴走をストップ、『新しい戦前』にはさせない決意です。真下道議からのバトンを引き継ぐのは厳しい挑戦ですが、私のモットーである『歩一歩』(ほいっぽ)で進んでいきます」とも話す。
 ちなみに、裏話として本誌に掲載された写真で真下から中村がバトンを受ける場面では、実際のバトンではなく卒業証書入れだったとか。市議になって初めて議場で登壇し発言した際には心臓が爆発しそうになったそうだが、教員時代には授業参観日などになると度々緊張していた。だから「心臓に毛を生やしたいですね」とジョークも。
 先日の委員会では今の教育現場の切実な状況を涙ながらに代弁。「自殺や不登校、コロナの影響もあったんでしょうけど、こうした課題をどう政治に働きかけていけばいいのかアプローチの仕方」を模索している。放課後児童クラブでは外遊びができない現状を問題視。「子どもたちにとっては増えた放課後がちゃんと保障されていないので、トータル的に考えていく仕組みが必要なんですが政治家だから言葉にできないとダメなんですよ」。様々な場面で「違う思いが高まってしまい」言葉以上に感情に走りがちな傾向があるため〝伝えるスキル〟をこれから身につけていきたい考えだ。
 3年ほど前から飼っているペットがランキンスドラゴンのゴンちゃん。は虫類の中で人気急上昇ふわふわトゲが特徴で、息子と一緒に育てているという。「歩一歩」の信条については「歩いている場合じゃないよ」と揶揄されることもある。だが、時折ツーリングを楽しむライダー。そこはケースバイケースで疾走感あるリズムもお手のものだ。読み聞かせの会では学期ごとに各学年に味わいのある朗読を披露。「もっとおおきなたいほうを」と題する反戦ものの絵本で子どもたちを魅了する。

この記事は月刊北海道経済2026年2月号に掲載されています。
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