森山病院が北彩都シンボル施設候補地を落札

 今年8月31日に公募が締め切られた北彩都シンボル施設候補地の売却では、旭川市内で森山病院、森山メモリアル病院などを運営する医療法人「元生会」が応募し、審査の結果、同法人への売却が決定した。道外企業とのJVで建設するという施設の構想は西川将人市長が目指すビジョン「先進医療の街、旭川」と合致するもので、医療と健康と食が融合した〝予防医療センター〟。旭川の新たなシンボルとなりそうだ。

3度目の正直苦労報われた
moriyama2 市が所有している北彩都あさひかわ地区内の一角でシンボル施設を建設する業者が、ようやく決定に至った。1回目の公募が行われたのは2013年7月で、同年10月28日に締め切られたが応募者は皆無。改めて締め切りの期限を半年間延長して14年3月28日としたが、それでも応募者はなかった。1回目の公募で土地を見学したある建設業者は「市が求めるシンボル的な施設建設という厳しい条件と、土地の広さがネックになった」と説明する。
 そこで市は土地を2分割して販売することで購入のハードルを下げるとともに、2013年に一般市民の意見も取り入れて専門家と市の代表で組織された「北彩都地区シンボル施設検討会議」で整理された5つの案について、「あくまで参考であり、イメージと異なる提案について却下するものではない」という注釈まで盛り込んで、民間業者による応募を促した。
 この土地の総面積は1万7496・35平方㍍(約5300坪)。最低処分価格は初回の公募より約1割値下げして、8億3457万5000円(平方㍍単価4万7700円)とした。今年5月27日に行われた現地見学会では、道内外合わせて企業9社から12人が参加した。当時、市の担当者は「周辺に建物が完成したり、工事が始まったりしたため、昨年と比べて人の流れが生まれてきた」と語り、応募者が現れることに期待を寄せていた。
 一連の条件緩和を受け、8月31日の入札締め切り前には、「全国大手の不動産業者が水族館と動物園を併設したテーマパーク計画で応札するのではないか」といった情報も駆け巡った。結局、手を挙げたのは元生会だけだったが、市からみれば応札があったことでこれまでの苦労が報われた形になった。

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この続きは月刊北海道経済2015年12月号でお読みください。
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