旭川市内小中学校、10校で蛇口から赤水

 給水設備の老朽化に伴い、旭川市内の一部の小中学校で水道から赤水が出るなどの問題が生じている。健康への悪影響を懸念して、飲用水を水筒に入れて学校に持参している児童もいる。市に給水設備の改善要望を出している学校は8校。ほかに2校で赤水が確認されており、子どもの健康を守るためにも対策が急務となっている。

3割弱が水筒持参
water 1980年に校舎を改築し、給水設備が設置後37年経過している啓明小では、旭川市教育委員会に2009年から「水道管が古くなり、赤さびの混入が疑われるので取り替えが必要」と改善を要望してきた。
 しかし、現在に至るまで水道管の更新などは行われていない。斉藤真美子校長によると、啓明小では2、3年ほど前から赤水対策の一環として、児童が家庭から水の入った水筒を持参するのを許可している。学校の水道から水を飲まなくなった児童は現在、全体の2~3割に達しているという。
 赤水が特に顕著なのは、週明けの月曜日や休日の翌日の朝など。蛇口をひねると流れ出る水に赤いものが混じっているのがわかる。しばらく水を流しっぱなしにして、透明になってから利用している児童もいる。教職員の対応も個人によりまちまちだが、大人の場合はそもそも市販のペットボトルを持参するケースも多いという。
 赤水の原因は水道管内部のさび。見た目にも不快感を与えるだけでなく、体にも良いとは思えないが、市教委学校教育部学校施設担当課は「鉄の臭いが少しして、あまりおいしくないかもしれないが、相当ひどくない限りそんなに問題はない」と説明。それほど事態を深刻に受け止めていないようだ。
 今年度、市教委に赤水対策を要望したのは、啓明小だけではない。ほかにも北鎮小、東光小(給湯管)、共栄小(同)、北門中(17年度に改修予定)、春光台中(今年6月の修繕調査後に要望)、永山南小(赤水と漏水対策)、緑が丘小(給湯管の赤水と漏水対策)から同様の要望が提出されている。学校施設担当課によれば、神居東小と啓北中は「学校からの要望はないが、赤水が出ていると把握している」という。

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この続きは月刊北海道経済2015年12月号でお読みください。
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