昨年8月、旭川市では相次ぐ職員の事務処理のミスや不祥事で、西川将人市長と表憲章、岡田政勝両副市長が責任を取り減給処分となった。ところがその後、消防で上司のパワハラに悩む署員からの内部告発があった。10月には、税務部で事務処理のミスから同じ案件で3度も入札を繰り返す失態が発覚。どうにも止まらない市職員の失態に、市役所内からもあきらめの声が聞こえてくる。
「良し悪しの線引きが難しい」
まずは消防から署員の内部告発。10月31日、本誌に届いたメールには「旭川消防パワハラ」との件名と、上司による部下へのパワハラの内容が綴られていた。要約すれば「部下の休日に上司から連絡があり、ミスがあるから職場に来い」「仮眠時間(待機時間)中に朝5時まで説教された」「髪が長いから坊主にしろ」「体力練成のために異常な筋力トレーニングを強要された」といった内容だ。
これらのパワハラはいずれも入署して5年以下の消防署員が受けたものと書かれ、メールには「体育会系の上司の絶対的立場と、閉鎖された環境のため、内部告発は自分の立場を悪くするだけで何もできずに我慢している」といった記述も付け加えてある。その結果、「精神的な苦痛から休職したり、退職した署員が多い事態に陥っている」という。
この内部告発を見た市の複数の幹部からは、「そのような内容の行為があったことは聞いているが、どの部署でのことなのか詳しくは聞いていない」「消防は火災など災害に立ち向かっていかなくてはならない使命がある。現場で少しでも間違いがあれば命を落とすこともある。従って、上司が部下に対して厳しすぎる訓練を課すことも仕方がない面もある」「ただし、その線引きが非常に難しい」など、様々な意見が聞かれた。
この続きは月刊北海道経済2016年02月号でお読みください。