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衰退進む旭川の地域経済、「主要産業」は公的年金
経済界には景気状況の厳しさを肌で感じている人が多いはずだが、その傾向は数字にもはっきり現れている。平均所得に注目した前号の本誌記事に続き、今回は所得階級別の比率、そして主な収入源に注目する。一連の数字から明らかになったのは、地域経済が直面する厳しい現実だった─。 年収千万円超の比率、帯広が旭川上回る 旭川市の平均課税所得は全国1741自治体の中で887位(2017年)─本誌が前号で伝えた数字だ。北海道のランキングは179自治体中114位。人口では道内2位、北海道・東北で4位という有力な都市ではあるが、住民の平均的な所得水準を比較すれば、音威子府や遠軽といった村・町を大きく下回っていることも明らかになった。 しかし、これらの数字はあくまでも平均値。旭... -
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道知事選候補に鈴木直道待望論
高橋はるみ道知事(64)の去就が注目される中、来春の知事選候補として浮上しているのが夕張の〝星〟鈴木直道市長(37)に対する待望論。夕張市とは職員派遣等で旭川市も交流があるが、何より「旭川夕張会」を通じて親交を深めている。同会の中でも期待論は大きいが、その実現性はいかに。 菅官房長官も高く評価 高橋知事の去就をめぐっては、その後援会で来夏の参院選道選挙区(改選数3)の自民党候補に推薦する動きが表面化。本人は現職の立場上、求心力を維持するため、進退表明はしていないが、自民党道連は、高橋氏や現職の伊達忠一参院議長(79)、岩本剛人道議(53)、中川賢一札幌市議、柿木克弘前道議(50)の5氏を軸に、擁立する2人を絞り込むことになった。高橋氏が周囲に5選不出馬... -
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旭川の個人所得は「中の下」
旭川市から東西南北にクルマを走らせれば、どの方向にも「田舎」が広がる。しかしその地域は、旭川市よりリッチかもしれない。統計を見る限り、上川でも道北でも道内でも、個人の平均所得がもっと多い自治体はいくらでもある。旭川市の順位の長期的な下落傾向も気になるところだ。 ついに全国3位 「北海道第2の都市」は、旭川のキャッチフレーズの一つ。札幌との格差は拡大する一方だが、函館、釧路などの主要都市も苦戦していることから、2番目の地位は当面安泰。道北では文句なしに最大の都市だ。 上川、留萌、宗谷管内、そして「道東」に組み込まれる網走管内を合わせた広大なエリアの中で、人口規模を比較すれば旭川市が34万211人でダントツの1位。北見市は11万8787人で、10万... -
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歴代旭川市長選を読み解く記事回想
本誌「月刊北海道経済」は1966(昭和41)年11月に「月刊道北経済」として創刊号を発行した。現誌名に改題したのは1974(昭和49)年。創刊以来、政治・経済・文化と幅広い分野に及ぶ誌面づくりを行ってきたが、中でも「旭川市長選」の話題は、選挙戦を分かりやすく市民に伝えるものとして様々な反響を呼んできた。来月の600号発行にあたり、これまでの100号単位の区切りの誌面から「市長選ネタ」を拾い出し、来たる11月11日投開票の旭川市長選を読み解く参考としてもらえば幸いである。 100号-1977年4月号 革新市政16年の停滞吹っ飛ばせ 記念すべき節目となった100号では、翌年11月に控えた旭川市長選に向けた話題の一つとして、自民党の道議会議員だった藤井猛氏が、それまで前例のな... -
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石垣電材進出に旭川電材業界の〝戦々恐々〟
パナソニックの連結子会社で優良企業の石垣電材㈱(本社・札幌)がこの7月、旭川秋月2の2に営業所を開設した。突然の旭川進出で、旭川市内に3社あるパナソニック代理店の電材卸しだけでなく、シェアを競う東芝、三菱系の代理店も戦々恐々となっている。 突然の進出 家電メーカーのパナソニック、東芝、三菱は「電材」の分野でもシェア争いを続けている。「電材」とは、電気に関係する材料のことで、身近なところではコンセントや照明器具、スイッチ。さらにはコンセントの裏側、電線、ケーブル類やそれを保護する管、配電盤、アンテナ、太陽光パネルなどなど幅広い。 旭川には電材卸しが6社あって、それぞれパナソニックか東芝、三菱のいずれかの代理店となって電気工事業者... -
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全日空の産みの親、中野勝義物語
1945年8月。第二次世界大戦の終結から程なくして、旧大日本飛行協会(東京・芝田村町)跡の瓦礫の山にたたずむ一人の男がいた。旭川市(東旭川村)出身で〝空に生き、空に殉じた男〟中野勝義(写真)。後に全日空の前身となる日本ヘリコプター輸送㈱を、美土路昌一(全日空初代社長)とともに設立した民間航空の先駆者だ。「ケタ外れの社員」と美土路に呼ばしめた、その破天荒な偉人が刻んだ足跡は多彩なエピソードに彩られている。(敬称略) 東高でのあだ名は「村長」 東旭川村で1904(明治37)年に屯田兵の三男として生まれた中野は、旧旭川尋常高等小学校時代から優秀な成績で、愛情と正義感が強く特異な存在だった。良くも悪くもボス的な存在で、周囲が彼を自然に持... -
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旭川ラーメンの基礎 加藤ラーメンの低加水麺
醤油味の「旭川ラーメン」は20年以上前から全国区の人気を誇る。それを支えているのが麺の加水率。この率の高い低いで製造コストが変わってくるが、「旭川ラーメン」はあえてコストのかかる低加水率の麺を採用している。この基本を作ったのは旭川の老舗製麺所㈱加藤ラーメン。低加水率麺と同社のこだわりから「旭川ラーメン」の魅力を再発見してみる。 麺の特徴決める粉と加水の比率 全国のラーメン情報を発信する新横浜ラーメン博物館のホームぺージに掲載されている「旭川ラーメン」の項には次のような説明がある。 「旭川ラーメンの基本は、加水率の低い縮れ麺に、トンコツと海産物(鯵の煮干し等)で取るスープ。(中略)麺の加水が少ない縮れ麺のため、スープの絡み、吸い込... -
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低迷する女性の就業率─道内第2の都市なのに
「北海道の女性」というと、本州に比べてしがらみが少なく、社会でバリバリ働くイメージを抱きがちだが、直近の国勢調査で、全国9地域の中で北海道の女性の就業率が最も低いことが分かった。その中でも旭川は35市中15位と就業率が低迷。道内第2の都市ながら、女性の就労の場が少ないことが原因のようだ。 道内15位 右下のグラフは、全国9地域の女性の就業率を示したもの。直近の「平成27年国勢調査」をもとに、15歳以上の人口に対する就業者数を算出したものだ。 最も就業率が高いのが中部地方で49・21(単位は%。以下同じ)。このエリアの9県すべてが全国平均(45・44)を超えており、富山(50・13)、石川(50・47)、福井(51・70)、長野(50・65)は50%を超える高い就... -
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災害の要因は無落雪屋根?
7月2日から3日午前にかけて猛烈な雨が降り、旭川市内では24時間で195㍉を超える観測史上最高の降水量を記録した。このため市内全域の汚水管が集まってくる忠和地区では3ヵ所のマンホールから大量の水があふれ出し、十数戸が床上浸水する被害が発生した。一見、豪雨による自然災害と見られがちだが、実はその要因をつくった責任の一端が市内全域の住民にもあることを知っておきたい。「忠和の災害は、天災ではなく人災だ」の声も聞こえてくる。 旭川は汚水管と雨水管の分流式 おいしいと評判で、ペットボトルに詰めて販売までしている旭川の水道水。市民の「上水道」に対する関心は高いと思われるが、「上下水道」とひとくくりにされる、一方の「下水道」に対してはどうだろ... -
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異常だった 7月の天気
旭川の天気がおかしい。大雨が降り、夏としては記録的な冷え込みを記録したかと思えば、7月後半は本州を思わせる暑さ。エアコンを設置していない家が珍しくないだけに、猛暑にぐったりしている人も多いはず。気になるのはこうした高温多雨の傾向が年ごとのデータだけでなく、長期的な傾向にも現れているということだ。今年よりも来年、来年よりも再来年と、旭川の天気は「熱く」なっていくのだろうか。 過去100年間の「7月」だけに注目 気象台のホームページにアクセスすれば、条件を指定して気象に関するさまざまな数値をダウンロードできる。本誌では1919年から2018年に旭川地方気象台で観測されたデータのうち、7月観測分だけに注目して、その変化の傾向を探った...