福井独立Lで活躍 今津辰吾選手

 2000年のシーズンから野球の独立リーグで活躍している旭川出身の今津辰吾さん(23)が年末年始の10日間、実家に里帰りしたのを機に話を聞いた。1年目にして福井ワイルドラプターズ(福井県)で打者としてクリーンナップを担い、チームは地区優勝を飾った。来シーズン後には旭川から久々にプロ野球選手誕生の可能性があるかもしれない。

トライアウト経て入団
 ──独立リーグは一般的なプロ野球とは違うのですね。
 今津 プロ野球はセ・パ12球団で日本野球機構(NPB)が運営しています。独立リーグはそれ以外の地域ごとに発足したチームの総称で、4月から10月のシーズン中は給料をもらって野球をやっていますから、一応はプロなんです。
現在活動中の独立リーグは、四国の4つの県で構成するアイランドリーグ、関西独立リーグ、そして北陸・信越5県と関東5県、東北1県、近畿1県を活動地域とするベースボール・チャレンジ・リーグ(BCリーグ)があります。
 ──今津さんは昨年、大学野球からBCリーグの福井ワイルドラプターズに入団しましたが、どうやって入ることができたのですか。
 今津 入団に当たってはまず、BCリーグの球団関係者が全部集まっているところでトライアウトを受けました。そこで1次テスト、2次テストをクリアすればドラフトで選ばれることになります。
選んでもらうわけですから、自分でチームを選ぶことはできません。もちろんプロ野球のような契約金なんてありません。自分は運よく福井ワイルドラプターズが指名してくれたので入団することができました。

1年目からチームの主軸
 ──入団1年目の昨シーズンからレギュラーだったそうですね。チームの成績はどうだったのですか。
 今津 BCリーグは12球団あって、本来は6チームずつ分かれて試合をしているんですが、昨シーズンはコロナの影響もったので中、東、西の3地区に分かれて試合をし、自分らは西地区で、福井、石川、滋賀、富山の4チームでリーグ戦を戦いました。
チームの結果は23という連勝記録を作り、西地区で地区優勝できました。その後チャンピオンシップの大会に出ましたが、中地区代表の長野のチームと準決勝で当たって負けました。
BCリーグはいつもなら年間70試合するのですが、今期は6月から始まったため60試合くらいに減りました。でも勝率は8割を超えていたので、まずまずの成績だったと思います。
 ──今津さん個人の成績はどうでしたか。
 今津 ちょくちょくケガがあって2、3試合は出場していないですが、フルシーズンやり抜けたことはよかったと思っています。守備はショートもたまにやりましたが、主にセカンドで出ていました。打順は初めの頃は5番でしたが後半はずっと3番でした。
守備と打撃を比べると自分は打つ方が得意だと思っています。ホームランは5本とあまり打っていませんが、チームの中では一番でした。
 ──1年目で、チームの主軸だったのですね。
 今津 言われてみるとそういう感じだったかもしれません。しかしチームの成績が良かったのはあくまでもピッチャー陣が良かったからです。なにしろ150㌔のスピードで投げる投手が普通にいますので。
 ──いずれにしても満足できた1年だったのでは。
 今津 いやいやそんなことないです。まだまだです。

スカウトの前でアピールが大事
 ──シーズン中、普段はどんな生活をしているのですか。
 今津 デーゲームとナイターがあって、平日はお客さんが来やすいように基本はナイターです。そういう時は、午前中は何もすることがなくて、昼から早めに球場へ行って練習や調整を行い、夜に試合といった感じです。デーゲームの時は朝から練習を始め昼間に試合やって、後は帰って寝るという感じです。遊んでいる時間は全くないですね。
 ──食事はどうしているのですか。
 今津 寮もあるのですが自分はアパート住まいで、食事も自分で作ることが多いですね。大学時代から自炊生活だったので慣れています。
 ──独立リーグで活躍するとプロから誘われるようになるのですね。
 今津 試合をやっている時はいつもプロ野球のスカウトが球場に来ていますので、そこでアピールするという感じです。
毎年、独立リーグからプロ野球に行く人はいるのですが、育成選手が多いようですね。しかし基本的にはみんなプロ野球を目指していると思います。本州の人には独立リーグの存在がよく知られているので、プロへ行くか大学野球へ行くか社会人野球へ行くかという選択肢の中に独立リーグがあるようです。

来シーズンがラストチャンス
 ──プロ野球を目指すのならそろそろですね。
 今津 年齢的にも今年いっぱいじゃないでしょうか。常識的には社会人2年目くらいまでですから、来シーズンがラストという気持ちです。ダメだったらきっぱり野球をやめると思います。やめた後どうするかはその時考えます。今は何も考えていません。
 ──一人暮らしも5年ですが、寂しいとか辛いとか、そんな気持ちはないですか。
 今津 それは全然ないですね。でも、ずっと野球ばかりやっているので、結果が出ないときは辛いですね。遠征で遠くまで行って、打てないで帰ってくる時のバスの中は結構きついです。
 ──後輩の野球少年にかけてあげる言葉はありますか。
 今津 小さいときは楽しく野球をやっていればいいと思います。自分も子どものころは野球が楽しかったですよ。良い指導者に恵まれるとなお良いですね。

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この記事は月刊北海道経済2021年02月号に掲載されています。