旭川市の企業数減少が止まらない。直近3年足らずで670社が〟消滅〟した。倒産発生は記録的な減少が続いている一方で、経営者の高齢化や後継者難を理由に休業・廃業が急増しているためだ。
円滑化法の効果
道北地区の企業倒産(負債額1000万円以上)の集計が行われるようになったのは1971(昭和46)年から。好不況をダイレクトに反映して倒産件数は増減を繰り返してきたが、昨年度(2013年度)の件数は46件と、集計開始以来、最少となった。
倒産件数減少は、2009年に成立した金融円滑化法の〝効果〟。この法律が中小企業の資金繰りを支えてきた。13年3月に円滑化法が期限切れを迎えたため一転して倒産急増となるのではないかと懸念されたが、国の対応が奏功し、13年度は一層倒産が沈静化した。
東京商工リサーチ旭川支店のデータによると、円滑化法施行以後、直近4年の道北地区(奈井江以北~稚内)の年間倒産件数は、
・10年=60(35)
・11年=70(33)
・12年=64(40)
・13年=46(25)
となっている。カッコ内の数字は旭川市の企業の倒産件数で、4年計133件。平均すると年間33件。史上稀な倒産の少なさだ。
倒産の3~5倍
倒産はいわば企業の「死」だが、新しく設立される会社も数多い。
旭川市で誕生する企業は近年、年間150社強で推移している。民間信用調査機関が発表する倒産は負債額1000万円以上に限られており、ごく小規模な倒産も加えると実際には年間33件よりももっと多いと思われるが、それを計算に入れたとしても、新しく生まれる企業数が倒産企業をかなり上回っていることは間違いない。人口統計でいう「自然増減」と同じく企業にも自然増減を適用すれば、円滑化法施行以後は企業は自然増を続けてきたはず。
ところが、総務省が先月発表した「平成24年経済センサス~活動調査」と、その3年前に行われた「平成21年経済センサス~基礎調査」の中の旭川市の企業数を見ると、この間、大幅な減少となっている。
(この続きは月刊北海道経済2014年4月号でお読みください)