定数削減の議会論議仕切った中川明雄市議の粘り腰

 旭川市議会の議員定数を現行の36から34にする「定数2減」は、議員全員が賛成し市議会では史上初の全会派一致で可決された。常に賛否両論が噴出し、意見がまとまることはなかったこの難題を仕切ったのは中川明雄議会運営委員長。三井幸雄議長の女房役として粘り腰を発揮し、無党派、また最も〝難敵〟の共産党も説得した。議会と役所内での評価も右肩上がりだ。

過去2回実施
「議員の声をどう市政に反映していくかが仕事だと思っている。思惑や信条などを入れずていねいに進めたい。議員が入れ替わり、今後改めて議員定数、そして議員報酬のあり方が問題になると思う」─3年前の4月、議運の委員長に就いた中川議員はこう抱負を語った。定数問題に並々ならぬ意欲を感じていたが、議長選が前代未聞のくじ引き決着となったように、与野党の勢力関係が緊迫していただけに、実際には問題が山積だったようだ。
これまで議会で何度となく論議されてきた定数削減問題は、「多すぎる、削減すべきだ」という意見が出る一方で、「現状維持でいい」、あるいは「市民の意見をより広く議会に反映するためには増員すべきだ」などの意見が入り乱れ、統一的な見解に至ることはなかった。
削減は1999年と2003年の2回にわたって行われていて、それぞれ4人ずつ削減し、定数は44から36へと8減されている。しかしいずれも、市議会議員改選の直前に議会に提案された。議論は十分には尽くされず、賛否を問う形で投票により決着した。3年前の11年春の市議選直前にも公正クと公明などが定数を2減らし、34とする条例改正案を議会に提案。議会への根回しもないまま投票に持ち込まれたため、結果は、賛成16に対し、反対18。僅差ながらも削減案は否決され、現行の36のまま市議選に突入した。

この続きは月刊北海道経済5月号でご覧ください。

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