オホーツク圏最大の都市・北見市が深刻な財政危機に陥り、「第二の夕張になるのではないか」と市民の間に不安が広がっている。公共施設・スポーツ施設の閉鎖、様々な使用・利用料の値上げが始まり北見市民は困惑しているが、財政が火の車なのは旭川市も同じ。北見市のあとを追うように、様々な負担増が旭川市民に襲い掛かりそうだ。

ゴミ袋1.5倍に
玉ねぎの産地、カーリングの街として知られる北見市は、人口約11万7000人でオホーツク圏最大の都市。面積は1427.41平方キロメートルあって北海道の市町村で1位。東西に延びる道路の距離は約110キロで、東京駅から箱根までの距離に相当する。
その北見市がいま深刻な財政危機に陥っている。毎年単年度で30億円以上の収支不足が想定され、25年度予算編成は二転三転し市議会の開会が延期されるという異常事態。最終的には一般会計で過去最大の800億2200万円(前年度当初比6.0%増)の編成となったが、「財政健全化計画・集中健全化期間」(25~27年度)の初年度で、施設整備などの投資的経費や新規事業が数多く抑制され市民に多くの不便と負担を強いる新年度入りとなった。
3年度にわたる財政健全化計画の取り組みでは、市営浴場や温室など市民の憩いの場として利用されてきた公共施設が閉鎖される。屋外球技場やソフトボール場も廃止され、無料で利用されてきたパークゴルフ場も廃止。これまで無料だった火葬場の有料化、し尿処理手数料の改定。福祉バス事業も廃止、図書館の分室・分館も廃止の予定で、ゴミ袋の価格も改定され1.5倍となる。
北見市民からは「大きいサイズのゴミ袋が10枚で1350円になる。諸物価が高騰しており家計には重い負担。公共施設が次々に閉鎖されていくようだが、子どもたちが練習場所に困るようになればスポーツが衰退する。災害のないマチだと安心して暮らしてきたが、第二の夕張になるのではないかと思うと不安だ」(50代主婦)との声が聞こえてくる。
貯金50億円減
北見市の財政悪化の主な要因は、少子高齢化による税収の減少、社会保障関連費の増加、そして物価高騰が挙げられる。これらはほかの道内自治体にも共通して言えることだが、他の自治体との違いは、2006年の市町村合併で、北見市,端野町、常呂町、留辺蘂町の1市3町が統合され新・北見市となったことだ。
国の交付税が優遇される合併特例債などを活用して、市役所新庁舎をはじめとして中央図書館や武道館の新設など大規模な公共事業を進めてきた。市が管理する公共施設、上下水道や道路が膨大となり、相次ぐ物価高騰で管理維持コストに耐えられなくなった。
他人ごとではない。旭川市の〝台所事情〟も北見市同様に厳しい。
2月に発表された旭川市の新年度(平成7年度)予算は、一般会計の総額で1801億4000万円。物価高や人件費増加の影響で過去最大の規模となった。
財政の健全度を図る指数はいくつかある。
その一つが「財政調整基金」。財源に余裕がある年度に積み立てておく「貯金」だが、旭川市は直近3年度で50億円減らし39億円(令和7年度見込み)となっている。全国に62ある中核市の平均100億円を下回る。
借金1人53万円
借金である旭川市の「市債残高」は19年度から約30億円増えて1681億円に達している。市民一人当たり53万円の計算になる。
道内主要都市の、住民1人当たりの市債(借金)を紹介すると、札幌市=63万円、旭川市=53万円、函館市=66万円、苫小牧市=67万円、帯広市=48万円、釧路市=92万円、小樽市=61万円、千歳市=16万円、室蘭市=83万円、岩見沢市=68万円。
千歳市が突出して少なく財政の健全化を示しているが、ほかは軒並み全国中核市の平均より大幅に多く、厳しい財政事情は道内主要都市の共通点だ。瀕死の北見市も紹介すると、一人当たり124万円で、千歳市と対照的に負の方向に突出している。
旭川市は総合庁舎の建て替えは終わったが、続いて市民文化会館の建て替え、総合体育館の多目的アリーナ整備を含めた花咲スポーツ公園の整備、廃棄物処分場整備などのハード事業が控えている。いずれも100億円規模の大事業だ。
北見市は合併特例債を活用して数々の大規模公共事業実施し、いま膨張したランニングコストにもがき苦しんでいる。そして数々の公共施設閉鎖、利用料・使用料金の値上げに踏み切った。それを教訓に、旭川市は事業の取捨選択をすべき時なのではないかと思うがどうだろうか。
旭川市も膨張する維持管理費に耐えかねて公共施設使用料見直し作業を行っている。公民館やスポーツ施設利用料、ゴミ処分場への持ち込みなど見直し項目は1000点以上。値上げ幅は最大で1.5倍の見込み。過度な市民負担はなんとか避けてもらいたいものである。

