3月27日に開業するイオンモール旭川駅前に対抗するため、西武旭川店とフィール旭川が大幅な改装に踏み切る。西武はB館地下1階の食品売り場の品ぞろえを強化するとともに、服飾とコスメ、アクセサリーに新たなブランドを導入。フィール旭川は5月下旬から、現在は1階から5階までのフロアに入居しているジュンク堂を4、5階に集約し、1~3階と4階一部をレディースや飲食のフロアに改装する。地下1階では鮮魚店が3月1日に入れ替わった。年商1400億円を目標にする駅前イオンにどこまで対抗できるのか、業界関係者だけでなく地域住民も注目している。
品ぞろえとサービスを強化
西武が「攻め」の姿勢でイオンを迎え撃とうとしている。6年ぶりの大幅な改装を実施した同店は、3月10日から各売り場ごとに順次リニューアルオープンする。
集客の目玉となるB館地下1階の食品売り場は、3月10日に大幅なてこ入れを行った。東京・大田市場などから全国各地のこだわり野菜を取り扱う青果の専門店「サンフレッシュ」が出店する。高級な地酒やつまみを取り扱う「おいしいものブティック平翠軒」は、道内初出店となる。
ほかにも、国産マグロや黒毛和牛といった高級食材を取り入れたり、3月21日からは「ケーキ&ケーキ」と呼ぶ生ケーキを集約した売り場を設ける。これにより、百貨店のデパ地下らしい高級路線に切り替え、イオンとの差別化を図る。
実力つけたフィール旭川
一方、2011年6月にプレオープンし、同年9月にグランドオープンしたフィール旭川は、機会あるごとに店舗の改装を進めてきた。時流に合わせた品ぞろえとサービスを追求し、先手先手で顧客のニーズに応えようとする戦略だった。
その中でも、地階の食品売り場「copia」は、百貨店の食品売り場、デパ地下と同レベルの品ぞろえを目指してきた。そのため全面オープンに手間取り、グランドオープンから2年近くを要したが、オープン時の反響の大きさは、フィール旭川にとって自信につながったはずだ。
その食品売り場も、機会あるごとにレイアウトを変更したり、テナントの入れ替えを進めてきた。3月1日にオープンした鮮魚売場もそのひとつ。当初、根室の大手鮮魚店が出店したものの消費者の支持が得られず、わずか1年半足らずで撤退する羽目になった。
詳細は月刊北海道経済2015年4月号でお読みください。