キルギスに道北の食を売り込め!

 かつてシルクロードの中継地点として栄えた中央アジア・キルギス共和国。日本人にはほとんど馴染みのない〝未開の地〟に道北の食を売り込もうというユニークな試みが、民間団体「食べマルシェブランドの価値を高める委員会」(伊藤友一委員長)によって進められている。交流は順調で、8月下旬にはキルギス代表団が来旭し工場見学や商談会を実施。経済交流にはずみがつきそうだ。

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経済成長率10%台
 キルギス共和国は中央アジアに位置する旧ソビエトの国。国土は東西に長く、中国との国境には天山山脈、南隣りのタジキスタンに向かってパミール高原が広がる自然豊かな国で、「中央アジアのスイス」と呼ばれる観光スポットともなっている。
 面積は日本の約半分で人口は540万人。キルギス人と日本人は顔がかなり似ていることもあり、日本人に対して強い親近感を持って日本語を勉強する学生も多く、「親日の国」としても知られている。中国やロシアから欧州へと通じる流通の要所で、近年はレアメタルの輸出で実質経済成長率が年10%台という急速な発展を遂げている。
 日本人には馴染みの薄いキルギスに、旭川と道北の食を売り込もうと積極的な活動を行っているのが「食べマルシェブランドの価値を高める委員会」(以下食べマルシェ委員会)だ。
 同会の発足は2014年春。「たいせつ食の元気隊」や「旭川ラーメンバーズ」の代表として初年度から「北の恵み食べマルシェ」に関わってきた伊藤友一さん(デザインピークス代表取締役)が呼びかけ人となり、「食べマルシェをひとつのブランドとして確立し、国内外に北北海道の食をアピールしよう」と、市内の食品会社や飲食店の若手経営者やフードコーディネーターなどに声をかけて立ち上げた。
 「食」をキーワードに、東南アジアやロシアを商圏として進出する道内企業が増える中、日本人にとっていわば〝未開の地〟ともいえるキルギスに白羽の矢を立てたのは、日本の食文化の輸出を手がけているNPO法人「和食文化とおもてなし促進機構」(東京)からの呼びかけがきっかけだ。

続きは月刊北海道経済2015年09月号でお読みください。
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