2030年3月までに閉鎖されるごみ最終処分場(江丹別芳野)の移転・新設計画を進めている旭川市は、昨年10月11日から次期候補地の公募を行っていたが、締め切りの12月29日までに応募はなく、改めて市が独自に選定する作業に入っている。応募に意欲的だった西神楽地区も「もうしばらく様子を見る」との判断で応募を取りやめたが、その背景にはさらに壮大な地元の構想もあるようだ。
なぜ応募が一件もなかったのか?
市が当初建設を予定していたコンパクトな覆蓋型(屋根付き)の埋め立て施設は、可燃ごみ焼却施設「近文清掃工場」の建て直しを断念して延命化策に切り替えたことから、焼却量の増加に伴う埋め立て量の減少が見込めなくなったため、より多くの容量を処理できるオープン型に変更せざるを得なくなった。
昨年、市が「一般廃棄物最終処分場建設候補地を募集しています」として市民に呼び掛けたチラシによると、応募できるのは①応募地の土地所有者②応募地の位置する市民委員会または町内会の長のどちらかに該当する人。
そして応募の際には①旭川市内の土地②10万平方㍍(10㌶)から20万平方㍍(20㌶)③市街化区域以外に位置する土地④各種規制を受けていない土地⑤新処分場として土地利用及び売却することについて、土地所有者の同意またはその見込みがあること⑥応募の意向について、応募地の位置する市民委員会及び町内会に伝えていること─などの要件を満たしていることとしていた。
この公募に踏み切る前、市内では西神楽地区のまちづくりに取り組むNPO法人が「ぜひ西神楽を最終処分場の候補地に」と市に要望書を提出する動きがあった。正式に公募することが決まった段階でも当然、名乗りを上げるものとみられていたが、なぜか応募には至らなかった。
詳しい経緯はわからないが、市民委員会などから「もう少し様子を見よう」という声が上がり、とりあえず今回の公募には応じないことにしたようだ。同じく、隣接する神居地区でも応募の動きはあったが、こちらも今回は見合わせたようだ。
この続きは月刊北海道経済2022年02月号でお読み下さい。