㈱ロゴスホールディングス傘下の住宅メーカー、㈱ロゴスホーム(本社=帯広市)は6月28日2/、国道237号に面した土地で独自の住宅展示場をオープンさせる。複数の企業が共同で開設する住宅展示場は旭川市内にもあるが、複数のモデルハウスが並ぶ展示場を1社で開くのは異例。カフェや全天候型キッズパークも併設する予定で、いわば「あそべる住宅展示場」となる。住まいの購入を考えている人はもちろん、いつかはマイホームを手に入れたいとの夢を温めている人、さらには同社の既存ユーザーなど、幅広い人が集う場となりそうだ。

子は遊び親は相談
ロゴスホームの住宅展示場が建設されるのは、神楽5条12丁目1─20。国道を面してトライアルと向かい合う一角だ。846坪の敷地を活用して、多彩なタイプのモデルハウス3棟の建設が6月の完成に向けて着々と進んでいる。ほとんどの家族にとって住宅は一生で経験をする中で最も高価な買い物であり、展示場に足を踏み入れるだけで緊張しがちだが、ここは住宅展示場というよりも「モデルハウスもあるレジャー施設」の雰囲気。完成後は家族連れでにぎわいそうだ。
モデルハウスと並んで建つセンターハウスの1階には、全天候型のキッズパークが開設される。雨の日はもちろん、真冬でも体を動かして子どもたちが遊んでいる間に、親は家づくりの相談ができ、担当者と納得が行くまで話し合うことができる。住まいづくりは家族の一大事だが、小さな子どもにとって大人同士の商談は退屈なもの。「キッズパークがあるなら喜んでついて行く」という子もいるはずだ。
もう一つの目玉施設がはちみつを使った多彩なドリンク、フードをそろえたカフェ「Bee」。朝食時間帯から営業して、この地域の忙しい家族、子を送り出してほっと一息つきたいママなどのニーズに応えたいとしている。このカフェは住宅見学に来た人はもちろん、ドライブの途中などで立ち寄る人にも開放される。カフェ店主の武田彩さんは西神楽で「Cafe NONAME」を営み、ウェディングプランナーとしても活動中。バルコニー部分でのウェディング開催も検討している。
札幌でナンバーワン
ロゴスホームは、2003年に帯広で創業した比較的新しい住宅メーカー。まずは帯広市内、釧路など近郊地域で足場を固め、2010年から道央圏に進出した。2016年には「ハウジングカフェ旭川」を開設して道北にも進出している。(「ロゴスホーム旭川」の開設は2018年)。
旭川は過去の最低気温記録から、日本を代表する寒冷地と言われるが、実はそれ以上に寒いのが帯広。1月の日ごとの最低気温平年値は旭川がマイナス11・7度であるのに対し、帯広はマイナス13度。計算上、31日間の最低気温が1度ずつ旭川よりも低いことになる。この厳しい寒さが、ロゴスホームが断熱性能を追求する出発点となった。家の中では半袖でいられるほど暖かく高い住宅性能、それでいて暖房料金はしっかり抑える省エネ性能、さらに北海道で働く誰もが手の届く価格設定という三つの条件を同時に満たす「十勝型住宅」が、十勝圏の外でも着実に支持を集めている。
建物のスタイルは「2×6」。一般的な「2×4」よりも柱が太い分、断熱性や耐震性の上で有利。主力は注文住宅(オーダー、セミオーダー)だが、建売住宅も手掛けている。
2021年には札幌の有力な住宅メーカー、豊栄建設㈱がロゴスホールディングス(持ち株会社)の傘下に入り、グループ企業となった(現在も同じ社名で存続)。札幌市内におけるロゴス、豊栄を合計した戸建て注文住宅の建築確認申請数は、2023年、24年、連続ナンバーワンとなった(北海道住宅通信社調べ)。激戦地・札幌における2社の住まいづくりへの高い評価を裏付ける数字だ。
東北・関東にも進出
創業から22年間、急成長を続けてきたロゴスホームの技術、こだわり、コンセプト、仕様などに触れられるのが、神楽に新設される住宅展示場だ。「本物」を訪れることで、カタログやウェブページの情報や映像よりも、住まいのイメージがより具体的になる。ロゴスホームの3タイプの家が並んでいることから、比較検討することで、 希望に合うのがどんな家なのかを探ることもできる。
同社が複数のモデルハウスがある住宅展示場を独自に開くのは、大市場の札幌(豊栄建設と共同)、本拠・帯広に続いてこれが3例目というから、旭川・道北市場の開拓に向けた意気込みがわかる。
ロゴスホームが追求してきた高断熱・省エネの住まいは、世界的に関心が高まっているSDGs(持続可能な開発目標)にも合致する。こうした状況を追い風に、2017年の青森を皮切りに岩手、宮城、福島で次々と拠点を開設、その後栃木、埼玉にも進出した。昨年にはロゴスホールディングスが株式を東証グロースに上場。いまや住宅業界で全国的に注目を集める存在となっている。旭川市内で独自の住宅展示場という異例の取り組みが実現した背景には、こうしたロゴスホームの実力があった。
創業者の池田雄一ロゴスホールディングス社長は、住宅展示場オープンに関して以下のコメントを寄せた。
「地域の皆様が集い、親子で楽しめる憩いの場にしていきたいと思います。まだ家づくりを考えていない方にも気軽に立ち寄ってほしいですね」
「あそべる住宅展示場」は6月28日オープンの予定。
